ハザードマップで白い物件、購入前にどこまで確認する?
執筆:住宅ローン比較.com 編集部 / 情報確認:2026-10-16
白い場所を安全と即断せず、想定区域外・データ未整備・未確認を分けて、自治体の最新資料と建物の位置を確かめましょう。

ハザードマップで色が付いていないだけでは、災害リスクがないとは判断できません。住宅の購入前には、建物の位置、見ている災害の種類、地図の対象範囲と更新状況を確認しましょう。特に「想定区域の外だった」「データが未整備だった」「まだ調べていない」は、物件を比較するときに分けて扱う必要があります。
「想定区域外」と「データ未整備」は同じ意味ではない
国土地理院のハザードマップポータルサイトのFAQでは、リスク情報が表示されない場所について、現在の想定で被害の危険性が示されていない場合と、データが未整備の場合があると説明しています。また、新しい情報が公表されてから「重ねるハザードマップ」に反映されるまで時間がかかることもあります。最新の市町村の地図や、元データの作成機関の情報も確かめてください。
表は横にスクロールして確認できます。
| 分かったこと | まだ分からないこと | 次にすること |
|---|---|---|
| 画面上では色がない | 表示している情報、正しい建物位置、対象範囲、更新状況 | 地図名・凡例・表示中の情報を確認し、建物の場所を照合する |
| 自治体の地図で、ある災害の想定区域外と確認できた | 別の災害や、異なる想定条件でのリスク | 洪水だけで終えず、内水・高潮・土砂災害など地域に関係する情報も確認する |
| その地域のデータが未整備だった | 地図で評価されていない部分のリスク | 自治体へ、利用できる資料や今後の整備予定を問い合わせる |
色がないことだけを理由に購入を決めず、確認できたことと分からないことを明確にしてから、候補を比べましょう。
住所を検索した後、建物と地図の条件まで確かめる
- 建物の位置を照合する。国土交通省のハザードマップポータルサイトで候補地を探し、道路や周囲の建物、物件の配置図と照らし合わせる。国土地理院は住所検索等に位置の誤差があると案内しているため、検索ピンだけで敷地を判断しない。
- 災害の種類を確認する。洪水の地図を見たのか、内水の地図を見たのかを記録する。国土交通省は、河川からあふれる外水氾濫と、雨が河川等へ排水できずに起こる内水氾濫を区別しています。洪水の色がないことだけで、内水まで確認済みにしない。
- 対象範囲・想定条件・凡例・更新情報を読む。どの河川や地域、どの降雨条件を対象とする地図かを確認する。拡大表示できても、敷地の細部まで正確と決めつけない。
- 市町村の最新の地図と照合する。ポータルの「わがまちハザードマップ」や市町村の公式サイトから、地図と解説を開く。食い違いや空欄があれば、作成機関に問い合わせる。
家族や不動産会社と相談するときは、物件名、確認した地図名・URL、確認日、建物の位置、分からない項目を一緒に残します。地図の一部分を切り取った画像だけでは、どの災害や条件を見たかが伝わらなくなるためです。
どちらも「洪水の画面は白い」物件でも、残る確認は違う
内水の地図が未整備だと分かった候補Aと、内水の地図をまだ調べていない候補Bは、どちらも「内水リスクなし」とは書けません。Aでは代わりに確認できる資料を自治体へ聞き、Bではまず地図の有無と内容を調べます。
| 確認項目 | 候補A | 候補B |
|---|---|---|
| 洪水の画面 | 色なし | 色なし |
| 建物の位置 | 配置図・周辺道路と照合した | 住所検索のピンを見ただけ |
| 自治体の洪水地図 | 最新資料の対象範囲と想定条件を確認した | 自治体の資料は未確認 |
| 内水の情報 | 地図が未整備と自治体に確認した | 地図の有無から未確認 |
| 避難先 | 洪水に対応する指定緊急避難場所を確認、経路は未確認 | 近くの学校の場所だけ確認した |
| 次の確認 | 内水に関して参照できる資料と避難経路を自治体へ確認 | 建物位置・自治体の最新地図・内水・避難先の対象災害を確認 |
A・Bは確認状況の仮定で、実在する物件の調査結果や安全性の順位ではありません。
「確認済み」の欄にも地図名と条件を残してください。別の災害、別の降雨条件、新しい地図が加われば、再確認が必要になります。未整備と未確認を空欄のまま同じ扱いにせず、候補ごとの疑問を不動産会社や自治体へ具体的に伝えましょう。
契約前に疑問を解消し、避難先は対象の災害まで確認する
不動産会社には「この建物は、市町村のどの地図のどこにありますか」「この白い部分は、対象区域の外ですか。それとも資料がない場所ですか」と尋ねます。自治体には「内水の地図がない場合に参照できる浸水実績等の資料はありますか」「地図の条件や更新については、どの部署に確認できますか」と質問できます。過去の被害記録が見つからなくても、将来の被害がないという証明にはしないでください。
内閣府によると、指定緊急避難場所は災害の種類ごとに指定されます。一定期間滞在する指定避難所とは役割が異なり、両方を兼ねる施設もあります。「近くに学校がある」で終わらせず、候補地の自治体が公表する対象災害と避難先、そこまでの経路を平常時に確認しましょう。災害時は自治体の最新の避難情報に従い、身の安全を優先してください。
購入判断では、確認できたリスクへの備えと、手元に残せる資金も合わせて考えます。災害に備える住まいと住宅ローンのリスク管理、火災保険の補償内容の確認、生活費・予備費を残す家計の試算も使い、分からない点を残したまま資金計画を確定しないようにしましょう。
出典と確認日
情報確認:2026年10月16日。個別の地域・建物の評価は、自治体や各データの作成機関の最新資料で確認してください。
- 国土地理院「ハザードマップポータルサイト よくある質問」:Q23の表示なし・未整備・反映までの時間、Q24・Q26の精度と位置検索。
- 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」:重ねるハザードマップ・わがまちハザードマップ。
- 国土交通省「下水道による浸水対策」:内水氾濫と外水氾濫の違い。
- 内閣府「避難場所に関すること」:指定緊急避難場所の対象災害、指定避難所との役割の違い。