コラム金利・経済公開日

住宅ローンの固定10年が終了。返済額は「今の1.25倍まで」?

執筆:住宅ローン比較.com 編集部 / 情報確認:2026-10-08

この読み物のポイント

固定終了時の再計算と変動中の見直しは別。自分の残債・残り期間・適用金利・選択期限を確認しましょう。

住宅模型、電卓、金利推移を見ながら返済計画を考える人のイラスト

固定10年が終わった直後の返済額を、「今の1.25倍まで」と決めつけないでください。固定期間終了時の見直しと、変動金利を利用中の返済額見直しは、同じルールとは限りません。まず終了日と手続きの期限を押さえ、終了時の残債・残り期間・自分に適用される金利から次の返済額を確認しましょう。

情報確認:2026年10月8日。契約条件は以下の公式情報によります。金額・金利の試算は説明用の仮定で、現行の商品金利や将来の金利予測ではありません。

「変動へ移るから125%まで」とは限らない

三井住友銀行は、固定金利特約期間の終了時には、新しい借入利率、残存元金、残存期間などで返済額を見直し、増減に上限を設けないと案内しています。住宅ローン説明書でも、変動金利・元利均等返済の125%ルールについて、固定金利特約型から変動金利型へ切り替える時点は対象外としています。公式の金利種類変更案内、住宅ローン説明書

これは同行の案内を確認した例です。提携ローンなどでは条件が異なる場合もあります。自分の契約で、固定終了時と、その後に変動金利を利用している間の見直しを分けて確認してください。金利が上がる幅を抑える制度と、返済額が増える幅を一時的に抑える仕組みも別です。

また、金利の引下幅は借入時期や商品で変わります。ソニー銀行は借入時期別の金利適用ルールを掲載し、既存利用者には契約書類で引下幅を確認するよう案内しています。ソニー銀行「金利適用ルール」。新規客向けの広告金利を、自分の固定期間終了後の金利として使わないことが大切です。

3,000万円を借りた例では、10年後も約2,247万円が残る

借入3,000万円、35年返済、当初10年を年1.0%、元利均等返済、ボーナス返済なしと仮定します。毎月の返済は約84,686円。120回返した直後の残債は約22,470,655円、残りは25年(300回)です。

次の表は、この残債と残り25年を変えず、終了後の仮定金利だけを変えて返済額を計算したものです。3,000万円をもう一度35年で借りる計算ではありません。各金利が続くとした場合の月額の比較で、将来の金利経路を予測していません。

表は横にスクロールして確認できます。

10年後の残債約2,247万円・残り25年で計算
終了後の仮定金利毎月の返済額今より月いくら増えるか1年間の増加額
年1.0%約84,686円0円0円
年2.0%約95,243円約10,557円約12.7万円
年3.0%約106,558円約21,873円約26.2万円
年4.0%約118,608円約33,923円約40.7万円

年3.0%のケースでは、返済額は元の約1.258倍です。「1.25倍まで」と思って予算を組むと、表の金額さえ想定から外れます。先に上限を当てはめるのではなく、銀行の提示する新しい返済予定表で確かめましょう。

計算は年率÷12を月利とし、毎月末の返済を想定。途中の円未満を丸めず、表示時に月額・月額差を1円、年額差を0.1万円単位に四捨五入しています。手数料、団信上乗せ、繰上返済、日割り利息は含みません。実際の端数処理・返済日・金利変更の反映時期によって結果は異なります。

最初に、同じ銀行で選べる条件を出してもらう

三井住友銀行の案内では、固定期間終了時は変動金利型となり、その時点の金利で固定金利特約型を再設定することもできます。満了の約2か月前に書面で案内する扱いです。ただし、これをすべての銀行・契約に共通する期限だと考えず、自分の通知と契約を確認してください。

比較を始めるときは、今の銀行に「何もしない場合」と「固定を選び直す場合」の両方について、適用金利・返済額・手数料を書面や画面で示してもらいます。そのうえで借り換えを比べると、何と何を比較しているかが明確になります。

表は横にスクロールして確認できます。

金利の数字だけで決めないための比較メモ
候補揃える条件合いにくい状況・注意
同じ銀行で変動へ移る自分の適用金利、終了時の新月額、その後の見直しルール今後さらに増額しても吸収できる余力が小さい
同じ銀行で固定を再設定選べる固定年数、適用金利、変更手数料、次の固定終了後の条件固定中の変更制約がある。再設定しても全期間の金利が確定するとは限らない
他行へ借り換え同じ残債・同じ残り期間、融資・登記等の費用、団信、実行可能日審査が必要。残債や残り期間が小さいと費用を回収しにくい。期限までの実行も確約されない

借り換え先で期間を延ばすと、月額は下がっても比較条件が変わります。同じ時点の支払額と残債を比べる例も確認してください。借り換えが完了する前に、現在の銀行で必要な選択期限を見落とさないようにしましょう。

通知が届いたら、この6項目を埋める

表は横にスクロールして確認できます。

契約書・通知・銀行への質問で埋める確認表
確認すること記入する内容銀行への質問例
1. いつ終わるか固定終了日と新月額の初回返済日どの返済分から金額が変わりますか?
2. いつまでに選ぶか受付開始日・締切日・手続き方法何もしない場合、どの金利タイプになりますか?
3. いくら残るか終了時の残債、残り回数、ボーナス返済分終了時点の返済予定表を確認できますか?
4. 金利をどう決めるか参照する基準金利・自分の引下幅・団信の加算終了後の私の適用金利と、確定する時期を教えてください
5. いくら増え得るか終了時の再計算と、移行後の見直しを別々に記入終了時にも5年・125%の扱いは適用されますか?
6. 費用・制約は何か変更・再設定・完済の費用、次回変更の条件固定を選び直した後、途中で変更できますか?

「増える月額を出せるか」と「期限までに選べるか」を分けて進める

  1. 返済予定表と終了通知を探す。終了日が近いのに通知が見つからない場合は、借入先へ発送先・電子交付先と手続き期限を確認する。
  2. 提示された金利で月額を確認する。さらに金利が高い仮定も置き、教育費・修繕費・年払い支出を含む家計に、増加分を入れる。表の年3.0%なら約2.2万円を毎月追加できるかが出発点になる。
  3. 手元資金を使い切らずに選ぶ。繰上返済で残債を減らす案も、生活予備費や近い将来の大きな支出を残せるか確認する。返済額軽減と期間短縮では効果も異なる。
  4. 余力が不足するなら早めに相談する。借り換え審査に期待するだけで期限を過ごさず、現在の銀行へ相談する。すでに返済が難しい場合は返済困難時の相談先と準備を確認する。

固定期間終了は、金利の予想が当たるかどうかだけで決める場面ではありません。自分の契約で次の返済額がどう決まり、いつまでに何を選ぶ必要があるかを把握すると、家計に合う候補を比べやすくなります。

出典と確認日

2026年10月8日確認。下記は銀行ごとの条件を確認する例です。自分の借入時期・商品・提携条件に対応する契約書類と最新通知を優先してください。返済額の表は当サイトの独自計算です。

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